生地選び
合い物、オールシーズン
生地に関してクリアカットのウーステッド素材、よく見かけるウールの綾織の生地ならロロピアーナの「タスマニア」がお勧めです。
「タスマニア」はスーパー150ですが、ハリがあり、シワに強く、耐久性も高いのでビジネスユースにも最適です。
所謂、目付250g前後のオールシーズンのカテゴリーになります。
お値段はそれなりにしますが、永く使えることを考えるとコストパフォーマンスは高いと思います。
ワンランク上の物をとなるとスーパー170のシリーズ「ウィッシュ」がお勧めです。
生地感で言えば似ているのですが、ウィッシュの方が原毛が細く柔らかく、鈍い光沢になり、アダルトな印象になります。
夏用の生地
僕は個人的に夏用のウールの平織りの一般的な生地は好みではありません。
平織りは一般的な綾織より素材の風合いが劣ります。
夏生地は防暑性を優先し素材は軽く、通気性のよい平織りにする傾向があります。
良く夏用素材のモヘア混の生地もあまりお勧めできません。
モヘアというアンゴラ山羊の毛を使用したものありますが、モヘアは素材そのもの光沢で生地に光沢を出すことができ、平織りの夏生地の夏用素材として重宝されます。
しかし、モヘアは繊維が生地から抜け易く、耐久性がありません。
2~3年でジャケットの脇下、パンツの股下、脇ポケットから擦れやすい部分から擦り切れてきます。
夏用にはロロピアーナの綾織でシルク混の薄く軽いの「サマータスマニア」をおススメしています。
同じく夏用の目付210gのシルク混の「ロイヤルウィッシュ」もお勧めです。
なかなか、ビジネスユースで使いにくいかもしれませんが麻の生地もお勧めです。
冬用の生地
クリアカットの生地ならば、スキャバルの「トルネード」がお勧めです。
スーパー80~90の固めのウール生地で目付が310gあり、深めの綾織、縦緯糸双糸の本格的な英国生地のテイストです。
深めの綾織が重たくなりがちな英国生地に光沢を与えます。
また、生地の色味、柄もマーチャントのスキャバルであって洗練されています。
厚みもあり双糸使いなので皺に強く耐久性にも優れています。
ちょっと起毛感を楽しみたいのならゼニアの「エレクタ」もお勧めです。
フランネル生地ならロロピアーナの「ウール&カシミヤ」もお勧めです。
コート生地
コート生地はスーツ生地に比べ、選べる生地の自由度が高く一概にこれとは言いにくいのですが、やはり永く使うことを前提に生地に重みがあり肉厚なものをお勧めします。
カシミヤ生地ならば文句なしにロロピアーナの中からお選びすることをお勧めします。
当店ではロロピアーナ「オーバーコート」のシリーズの中の生後半年のラクダの原毛を使用したベビーキャメルの生地は人気がありますね。
防寒性を重視するのでしたら英国メーカーが良いでしょう。寒冷な英国の冬を凌ぐ肉厚な重厚な生地が豊富にそろっています。
独特の風合いで昨今、知名度を上げた「ハリスツイード」もお勧めです。