今まで既製品(吊るし)のスーツしか買ったことがないという方が、初めてオーダースーツを作ってみようと考えたとき、どんなものを選べばいいのか悩まれることも多いかと思います。
オーダースーツと聞くと、なんだか敷居が高いものに感じたり、スーツに対して詳しいビジネスマンが着こなすものだというイメージを持っている方が多くいらっしゃいます。しかし、実はスーツにあまり詳しくないという初心者の方にこそオススメなのがオーダースーツなのです。
曖昧な知識のままで既製品を購入するよりも、プロからスーツの基本や着こなしについて聞きながらオーダースーツを作るほうが確実で、安心できます。
一昔前に比べると、手頃なお値段でオーダースーツを楽しむことができるようになっている今だからこそ、チャレンジする良い機会なのではないでしょうか。
今回はオーダースーツを作ってみたいと考えている皆さんへ、その魅力や作製するうえで知っておきたいことについてご紹介します。
オーダースーツの構成要素
生地
スーツ屋ごとに生産業者やブランドから厳選した生地を仕入れています。
当店では、昔から長く愛され続けている定番のものから流行りのものまで幅広く取り揃えています。
モデル
店舗によって独自のものもありますが、大きくはブリティッシュ・イタリアンクラシコ・アメリカントラッドの3つに分類されます。この中からご自身の身体と好みに合うものを選んで行くのが良いでしょう。
一般的にブリティッシュは背が高く細身の方に似合うスタイルだと言われています。また、ナチュラルな丸みのあるイタリアンクラシコは中肉中背の方に合ったスタイルです。そして、アメリカントラッドはがっちりとした方に合ったスタイルです。
とはいえ、ガタイのいい方がブリティッシュを来てシュッとした印象を与えることもできますし、要は着こなし次第です。
ご自身の体型に合わせてモデルを決めることも大切ですが、どのようなシーンで着るのか?どのような印象を与えたいのか?など総合的に考えて選ぶことが大切です。
デザイン
襟やポケットなどのデザインで個性を出すこともできます。ただし遊びを入れすぎてルールから外れてしまったり、ビジネスに不向きなものにならないよう、スタッフと相談しながら決めていくことをおすすめします。
サイズ
スーツを購入するうえで最も重要といってもいいのが、サイズ感です。
どれだけ高級な生地を選び、オシャレなデザインにしても、サイズが合っていなければ格好悪くなってしまいますし、 逆に言えば、ピッタリのサイズを着ているだけで2割増しで魅力的に見えるものです。オーダースーツを作る良さのひとつが自分の身体にピッタリと合ったスーツを作ることができる点です。既成品では味わえないフィット感で、着心地も抜群です。
オーダースーツの種類
フルオーダー
フルオーダーでは、好みの生地・デザインを選び、世界に一着しかない完全オリジナルのスーツを作ることができます。採寸から縫製など全てが職人の手によって作られます。自分だけに合った、こだわりのつまったスーツが欲しいという方にオススメです。
パターンオーダー(セミオーダー)
パターンオーダーは別名をセミオーダーとも言い、既製品の着丈や袖丈・ウエストやパンツ丈を許容範囲内で調節して仕上げていきます。全くの一から作るのではなく、決まったパターンから細かい部分を変更させてスーツを作っていきます。オーダー初心者の方で、出来上がりに近いサンプルを試着したいという方にはオススメです。
イージーオーダー
最後の作製パターンはイージーオーダーです。生地やデザインなどはあらかじめ用意さらたものから選ぶことになるので自由度は低いですが、安く・早く仕上げることができるのが特徴です。
イージーオーダーやパターンオーダーでもサイズ補正はできますが、体型補正やクセとりがあるフルオーダーに比べるとフィット感はやや劣ってしまいます。しかし、既成品に比べるといずれも着心地の良さは抜群です。
ご予算やお好みに合わせて選んでください。
オーダースーツの魅力とは
自分に合わせたオリジナルのスーツを着ることができる
オーダースーツを作る魅力のひとつは、なんといっても自分に合ったオリジナルのスーツを着ることができるようになる点です。特に、フルオーダーで作った場合は、生地からデザインまで全てをご自身で決めていただけるので、自分の好みが反映された完全オリジナルのスーツに仕上げることができます。
特に営業マンの方など、社外の方と関わる機会の多い皆さんからは人気があります。
既製品にはない、着心地やデザインのスーツを着てビジネスライフを堪能することができます。
サイズやデザインを自由に選べる
サイズやデザインを自由に選ぶことができるのも魅力のひとつです。おしゃれでカッコいいデザインのスーツを自分にピッタリのサイズに仕上げることができます。既製品だと、デザインが好みでも実際に着てみるとサイズ感がしっくりこなかったり、サイズを重視すると好みのデザインのものがなかったりする可能性がありますが、オーダースーツであればその心配がありません。生地の触り心地や、人に与えたい印象を考慮して仕立てることが出来るのも嬉しいポイントです。
既製品に比べて長持ちする
オーダースーツは自分の体型に合っているので、袖や裾部分が擦り切れてしまったり、脇の部分が擦れてしまったりというサイズに起因する負担が軽減されます。そのため、既製品に比べて、かたちが崩れることもなく、長く着ることができます。既製品でサイズが合っていないスーツを着ているとシワやヨレも目立ちやすく、スーツの寿命も短くなってしまいます。確かにオーダースーツはお安いものではないかもしれませんが長い目でみると作って損はないと思います。
オーダースーツを作るうえでの注意点
作製できるお店が限られている
オーダースーツの場合、採寸から細かいデザインまでをスタッフや職人と話し合いながら決めていきます。お客様のご要望をかたちに変える高い技術力をもつ職人が減ってきていることも相まって、オーダースーツを作製できるお店の数自体が限られてきているのが現状です。
仕上がってくるまで時間がかかる
オーダースーツは出来上がりまで時間がかかってしまうのも注意すべき点です。平均すると1ヶ月から2ヶ月程度の期間がかかります。フルオーダーで作製する場合にはさらに時間も要します。
いついつに着たいというのがあらかじめ決まっているような場合には、余裕ももってスケジュールを空けておくようにしましょう。
まとめ
初めてオーダースーツを作る方で、イメージをスタッフに口頭で伝えることを不安に感じられているのであれば、どんなシーンで着たいと考えているのか・どんな風に見られたいのかなどを伝えてください。
それに沿ってスタッフがご提案します。イメージに合うようなスーツが載った雑誌などをご持参いただくのもひとつです。
また、トータルコーディネートも大切なので、普段から着用しているシャツや靴などをお持ちいただくのもオススメです。もちろん店頭に試着用のものもご用意はさせていただいていますが、日常でお使いいただいているものと合わせながらの方が、より決めていきやすいかと思います。
オーダースーツは自分好みのスーツをジャストサイズで作ることができるだけでなく、作製するにあたってのスタッフとのコミュニケーションを通して、スーツに関する正しい知識や着こなしを知ることができるのも良いところです。そこで得た知識はオーダーであれ既製品であれ役に立つはずです。
時間やお店などは限られている部分もありますが、利点も多くあるため、この春オーダースーツにチャレンジしてみてはいかがですか?