縁の下の力持ち毛芯について
ジャケットの生地と生地の間に入っている毛芯。
ジャケットのシルエットの形成、保形のために用いられます。
ジャケットの仕立ては総毛芯、半毛芯、接着芯の三種類に分けられます。
引用https://www.ringwood.jp/feature.html
毛芯は主に前身の保形のために用いられます。
毛芯の名前の意味は毛すなわち獣毛を使用した芯であるからです。
接着芯は薄い布地を生地と生地の間に挟みアイロンの熱で糊で固定します。
一部ネットでは、半毛芯はハーフ毛芯と呼ばれ、接着芯との混合との説明もありますが、それは間違いです。
総毛芯は裾まで、半毛芯は腰のポケット付近まで毛芯の入ったものを指します。
総毛芯は最高級、半毛芯はそれに劣るという説明がありますが、これも間違いです。
夏用のスーツなど軽さ、通気性を重視する場合は半毛芯にすることが一般的です。
日本では湿度の関係上、表地にシワが出やすいため、毛芯仕立てであっても接着芯を張り付けることが一般的です。
毛芯は通常、ハ刺しで糸止めされますが、最近では毛芯を糊で張り付けた物もあります。
フルハンドメイドのスーツでは2000針も手で縫います。
工場製品ではハ刺しミシンで縫われます。
糊で固定したものは、糸止めの違いはラペルの裏側に糸が出ているかでいないかで判断できます。
手で撫でた時に、ブツブツとした感触がある場合は、縫い糸がある糸止めの証です。
接着芯、糊は雨、汗などの水分で剥離、劣化しやすいです。
一般的に耐用年数は5年程度でしょう。
スーツを10年と長持ちさせるには接着芯不使用の毛芯仕立てが良いでしょう。